CMを見て、興味を持ったので、
久々に(多分4年ぶりくらい)映画を観に行ってきました。
任侠映画
これはいわゆるヤクザがテーマの映画ということで、
あらゆるところで仁義とか杯とか、
そういう話が出ます。
僕はいわゆる任侠映画をあまり観たことがないので、
どうなのかこのあたりのことはよくわかりません。
また、いわゆるドンパチの場面もあります。
一応、仁義とか親殺し(自分の組の組長を殺害すること、禁忌に当たる)といった
大義による殺し合いがありますが、
まあ、ヤクザの映画なのでこんなものかなといった感じです。
そういう話が大好きな人は山一抗争とか、道仁会とか、司忍とか、高山清司など
そのへんを調べてくださいな。
自動車
この映画、始まり方が非常に印象的です。
自動車(日産フーガ)を海から引き上げるシーンから始まります。
海に沈んだ車を海から引き上げると、
やっぱり気泡がドアの隙間から入るんですね。
車の中の空気の動きを撮影するという
シーンが収められていて、非常に興味深い映像になっています。
と、そのシーンで小日向文世演じる片岡が車に乗って登場するのですが、
その車はトヨタのクラウンかマークXかカローラのどれか(すぐ忘れた)。
そういう視点で映画を観ていると、ヤクザがテーマとあって、
非常に多くの高級車が出てきます。
- トヨタ・クラウン
- トヨタ・セルシオ
- トヨタ・アリスト
- トヨタ・センチュリー
- トヨタ・マークX
- 日産・フーガ
- 日産・シーマ
- 日産・セドリック
- 日産・グロリア
- メルセデス・Sクラス(Cクラスかも)
これらの車は実際に日本でも権威の象徴だったりして、
社用車として扱われていたりしますね。
で、この映画の中では、中野英雄演じる木村一派が、
次々と車に乗っている山王会の人物を殺していくのです。
街灯や車のライトの中、黒塗りの車の中で
誰が殺害されたのかわからないけど殺害されていくシーンは、
ヤクザという組織の光と影を象徴するものだと思います。
(別にヤクザを美化しているわけではないので、そのへんはアレして下さい)
そして、ビートたけし演じる大友の敵である、三浦友和演じる山王会会長は
抗争の責任をとって引退するのですが、
彼もまた殺害されます。
しかし、彼の場合はすでにカタギであり、
殺されるのが車の中ではなく、パチンコ屋なのです。
このあたりの小道具というか象徴の使い回しとか、
非常にうまい映画だと思います。
おしまいに
本当はまだまだいろいろと語ることがたくさんあるのです。
カット割りだとか、時間の演出だとか、
いわゆる映画の文法と言われているものですね。
このあたりも非常に基本に忠実な方法をとっていたりして、
ビートたけしってたくさん映画観てきたんだなと思ったりしました。
それともうひとつ、ビートたけしの映画では
ほぼ必ずビートたけしが歩くシーンが登場します。
それがなんとなくたけしの映画の中における孤独感を演出しているのです。
まあ、それは僕が学生の時に映画の授業で教鞭をとってくださった梅本洋一先生に
教えてもらったことですが…
なんだかんだで、面白い映画です。
上映終了後キャスト表示になると席を立つ人が多いですが、
この映画ではキャスト表示になっても全く誰も立ち上がりませんでした。
僕はキャスト表示自体も映画の一部だと思っているわけですが、
たしかに黒地に赤の文字で表示されていて、
暗黒な世界と血の世界を表現しているのかな、
なんて安っぽい感想を述べて終わりにしたいと思います。
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