2012年3月26日月曜日

読書と価値

教育ママとか教育パパとかはびこる世の中において、

僕は子供たちにたくさんの物語を読んでおいてもらいたいと

思っています。

具体的には?

って聞かれると困るんですが、

というのも手持ちのネタが少なくて…

『ヴェニスの商人』とか『若きウェルテルの悩み』とか『罪と罰』、『カラマーゾフの兄弟』とか。

もっと、子供同士の友情と葛藤を描いた話があれば、それも読んで下さい。


理由ですが、

人生で訪れるであろう好機を逃さないために、

いろいろなシミュレーションを立てておいて欲しいと思っています。


私はそれほど本を読む人ではなかったので、

そういうシミュレーションがうまく立てられないのかと思っています。


ベンヤミンの『歴史哲学テーゼ』をあえて誤読すると、

ヘーゲルの前進的な弁証法ではなく、

過去の別の選択肢を展開すること、

ここに今目の前に起こっていることに対する様々な選択肢に

どのように対処するかをシミュレートする機会があるのかと思います。


もう一つ、本を読むときのアドバイス、

ロマン主義的に読まないで欲しいです。


人間の苦悩の中に真実があるとか訳の解らんことをほざいて本を読むのではなく、

ドミトリーならドミトリーにとって胸を叩くことにいかなる価値があったのか、

そしてアリョーシャがそれを思い出した時の胸を叩く価値の再発見についても

シミュレートして欲しいのです。

価値とは他者と交換されることで初めて生み出される概念です。

苦悩そのものは交換できません。

胸の肉1ポンドは血を含めて肉1ポンドであることそれが交換条件であり、交換価値です。

その価値、私はそれを物象化と読んでいますが、その価値が何であるかを

しっかり見極めつつ、本を読んでもらいたいと思うわけです。


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